「マイ会計」会計をもっと身近に。世界は会計でできている[石井友二]

社会人の三種の神器は、会計、IT、英語ですが、このなかで最も重要なのは会計です。会計がいかに日々の生活に入りこんでいるのか、また日々の生活を支援するのか、明らかにしていきます。会計を知り活用すれば人生を謳歌できます。充実した人生を送るための会計についてご紹介していきます。

知っておくとハナタカ。企業評価のポイント

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 今日は、財務分析のなかで企業を評価するときに使われるフリーキャッシュフローFCFFree Cash Flow)と、イビットダ―(実務ではイビッダーといっています
EBITDAEarnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)について説明します。

 

 それほど、難しくないので、チェックしてみてくださいね。

 

 フリーキャッシュフローにはさまざまな算出方法がありますが、ここでは議論を簡単にするためにフリーキャッシュフロー= 営業キャッシュフロー - 投資キャッ

シュフローという方法で検討します。

 

 キャッシュフロー計算書の学習をしましたが、営業キャッシュフロー±投資キャッシュフロー±財務キャシュフローがその月や年に残った、あるいは減った現預金の額になっていた筈です。

 

 貸借対照表は期末日の財政状態を表し、資産=負債+資本でできていました。期首にあった現預金残高は昨年の年度末に残った現預金残高ですが、それは同時に期首の貸借対照表に移行し、今期に事業を始めるときの原資になって、ここから一年始めますよ、という意味をもっています。

 これ結構大事なので、頭に入れておきましょうね。

 

 そのときの期首の現預金残高±現預金の増減=期末の現預金残高として、キャッシュフロー計算書は、貸借対照表の期首と期末をつなぐ役割を果たしているんですね。

 

 そのなかのフリーキャッシュフローです。これは、フリーキャッシュフローがプラスなら、使えるお金がまだあるし、マイナスなら使えるお金がない、ということを示しています。

 

 自由に使えるフリーキャッシュフローがあれば、会社は残りの金額を借入金の返済や自社株の買い取り、配当、そして、次の事業拡大や新規投資に資金を使えます。

 

 そのため、フリーキャッシュフローが多い会社ほど、経営に余裕がある、よい経営状況であるということが判断できます。

 

 企業は売上も利益も必要ですが、実際はキャシュをどれだけ、稼ぐ会社なのか、残し次の収益拡大のためや、株価上昇のために使えるのかを皆がみているのです。財務分析の視点に、フリーキャッシュフローをみる、ということが大事なんですね。

 

さて、次にEBITDAです。

 

 EBITDAEarnings Before Interest, Taxes, Depreciation and Amortization)は、金利支払い前、税金支払い前、有形無形固定資産の減価償却費控除前の利益を表しています。

 

 簡単に説明すると「営業利益+減価償却費」となります。

 

 P/Lの営業利益に減価償却費を加算して求めます。営業利益に非キャッシュ費用である減価償却費を足し戻して求めることから、簡便的な営業キャッシュ・フローと捉えることができます。

 

 しかし、これには罠があります。この利益は会計処理により異なるので、利益があるからといってキャッシュがあるとは限りません。

 

 利益がでているのは、架空売上かもしれないし、架空在庫を増やして原価を小さくしているかもわからないからです。

 

 運転資本の増減によるキャッシュの影響、例えば売掛金が回収できずキャッシュがないこともありますよね。

 

 マイ会計でいえば、給料100万円もらい、使わないお金がたくさんあって、貯金も毎月20万円しているよ。すごいでしょうといっても、実は友達から借りた借金がたくさんあって返していなかったり、光熱費の支払いが滞っていたり、実は給与も前借をし続けていて、来年からは80万円になるかもしれないなど、いろいろな背景があるケースがあります。

 

 現状の利益(貯金)だけみても判断できません。

 

 企業と個人では会計処理が異なり利益の概念が相違するので、イコールではありませんが、やはり営業キャッシュフローを稼げているのか、投資キャッシュフローを控除したらどうなのか、また財務キャッシュの返済はどうかといったキャッシュフロー全体をみないと、事実がつかめません。

 

利益や減価償却の額で現預金や企業業績を推定するのは危険と考えているのです。もちろん、税金や利息を考慮しないのも問題です。

 

したがって、EBITDAだけで、当該企業の現預金を生み出す力と判断するのは早計です。というか、危険ですね。よく使われるのですが、私は注意して使います。

 

とういことでフリーキャッシュフローEBITDAは企業評価やMAのときの基準になったりしますが、EBITDAをみるだけではなく、フリーキャッシュフローもみて総合的に判断する必要があるという、記事でした。

 

少し雑駁(ざっぱく=雑)ですが、フリーキャッシュフローEBITDAという言葉があり、内容はこんなだったと、薄っすら覚えておけば、また次に何回もお話しするので、良いと思います。

 

最後に、わかりづらい減価償却費について説明しますね。減価償却費は費用として収益から控除されます。しかし、他の多くの費用のように現金支出はありません。会計的な費用です。

 

というのも、例えば企業のもつ有形固定資産、例えば建物や機械、備品、車両ですが(これは文字通りのものなのでイメージできると思います)、これらは購入したときに代金を支払います。なので現預金の支出は自己資金でも、借入でも購入時に完了しています。

 

国が決めた耐用年数というもので、費用化しようというルールになっています。なので、減価し償却費耐用年数表には、鉄骨鉄筋コンクリート造又は鉄筋コンクリート造りのものとして、事務所用又は美術館用及び下記以外のもの50年とあります。

 

100で取得したものであれば、年間の減価償却費は2、という計算になります。利益=現預金と考えているので、費用が引かれた後の利益に費用だったけど現預金は使っていない減価償却費を戻し、本当は利益は2多かった筈、ということで利益+減価償却費になっているのです。

 

 減価償却費、分かりましたか?また、どこかで説明しますね。

 

ということで、夜中になってしまったので、もう寝ます。次回は過去の復習を少ししてみたいと思います。おやすみなさい。