「マイ会計」会計をもっと身近に。世界は会計でできている[石井友二]

社会人の三種の神器は、会計、IT、英語ですが、このなかで最も重要なのは会計です。会計がいかに日々の生活に入りこんでいるのか、また日々の生活を支援するのか、明らかにしていきます。会計を知り活用すれば人生を謳歌できます。充実した人生を送るための会計についてご紹介していきます。

100均の不思議

f:id:itomoji2002:20200719224609j:plain


 このブログは、会計をもっと身近に、世界は会計でできているというタイトルです。今までいくつか記事を書いてきましたが、ちょっと振り返りをしたいと思います。

   

    「世の中の経済活動は、すべて会計により動いている。しかし、大方はその仕組みをよく知らないままに、生活していて、もしかすると、そのことで社会の動きを見逃していることがある」

 

「だから、簿記を習得する必要はないものの、簡単な会計のフレームワーク(枠組み)を知り、かつ自分の生活に当てはめて会計を捉え、社会をもっと知ったり、社会人としてより成果を挙げるツールとして会計を使っていきましょう」という趣旨で、ブログを書いています。

 

例えば、100円ショップはなぜ100円で商品を売れるのか、大量に仕入れているから、ということなのですが、100円なのに高粗利(売上総利益)をとれている100円ショップは、いくら安くても100円未満であの商品を売る卸しやメーカーはどうなのよ、ということです。

 

もちろん、いわゆるバッタ(投げ売りを意味する古道具商の隠語)品を売るということもあったかもしれませんが、それでは継続的な取引はできずビジネスになりません。仕組みをしっかり作っていると考えます。

 

ある100円ショップは自社工場ではなく、80%の商品をOEM([original equipment manufacturer]は、他社ブランドの製品を製造すること)でつくっています。余計に粗利がとれる。

 

それにしても、なぜそんなに安く、という疑問が湧きませんか? このブログで学習した損益分岐点を知っていればわかります。

 

工場は、固定費が一定のなかで生産を行っているので、つくってもつくらなくても、固定費はかかります。

 

なので、限界利益をどう増やすのかを考えています。100円ショップのためにつくる商品はOEM先と言っても専門の工場ではありません。

 

他の商品も製造している。となると売上高―変動費限界利益の考え方からすれば、限界利益が出ていれば、工場のキャパシティ(生産能力に余裕)がある限り、利益を得ることができます。

 

 であれば、変動費である材料費が売上高よりも小さければ、商品、厳密にいえば工場では製品ですが、理論的には限界利益がでるので生産をすることになります。

 

 工場の繁忙差を狙い、工程に余裕があるなら、多少のスペック(仕様=ここでは質に近い)を落としても、受注できれば嬉しい、なので買う方も、売る方もウィンウィンになると考えています。

 

 このことは「なんで100均は安く売れるのか」という記事のなかには書いてありません。

 

 お金に困った中小が安く売る、現金だから嬉しい、大量仕入れである、中間マージンがない、海外から仕入れるなどと書かれていますが、実際は上記に書いたことも、利益がでる一つの大きな理由になっていると思います。

 

 もちろん、売上総利益の下の販売費及び一般管理費も安い。それは値札をつけない(古い言い方で、スーパーや量販でも値札をつけているところはほとんどありませんが)、管理が容易ということがあります。

 

 確かに店舗での品出し(売場に商品を陳列すること)や受発注はシステム化され人手がかからないし、レジでも数さえ数えれば値段は、原則同じなので、楽かもですね。

 

 安い上代(売上)でも、更に安い下代(仕入)で取引をして、販管費を低く抑えれば営業利益は出る、というモデルなんですね。

 

 で、実は海外にも100円均一のショップはたくさんあります。

 

 私も、ホーチミンから少し離れた、ビンズン省に向かう街道沿いにあるイオンのなかにあるダイソーの値段が40,000ドン均一(日本円で2020年7月19日のレートで184.61円)だったことを思い出します。

 

 日本から輸出するにあたり、物流費がかかるし(ベトナムでつくれば安いですね)、ベトナムのイオンの家賃は高いと聞いたこともあります。

 

 粗利も多めにとらなければ成立しないという理解です。

 

 もちろん、海外で日本ほど売れなくても、粗利が大きければ一定の粗利額をとることができるので、利益がでる水準に粗利を設定しているのだとも思います。

 なので、日本よりは粗利は大きい、上代も高いことも理解できます。

 

 なお、閑散期の飛行機旅行が安い理由もどうせ飛ばすなら空いている席を埋める。その基準は売上高−変動費限界利益の考え方です。

 

 居酒屋の昼食が安くできるのもそれだし、新幹線もの考え方を取り入れて席を安く売り出す試みをしていましたね。

 

 ということで、役に立つかどうか分かりませんが、会計が身近に感じられる人も、いると思います。

 

 というか、簡単な会計を知っていれば、視点が変り、社会の動きが見えてくることは間違いありません。

 

 さて、今回の記事が復習になったかどうか心配ですが、私が提示する、会計の13の黄金フレームワークを繰り返し学習すれば、社会の様々なことが見えてくる事は間違いありません。

 

 マイ会計はまだまだ続きます。

 

 次は事業計画書について説明します。