会計や財務諸表を語るうえで必要な知識に監査があります。
一般的に組織の監査には、
- 外部監査
- 監査役監査(監事、監査等委員監査も含む)
- 内部監査
があります。
外部監査には監督官庁による監査等が含まれますが、私が経験してきた監査は、監査法人としての会計監査、また監査役や監査等委員としての監査、そして内部監査室立ち上げによる業務監査です。
監査法人で会計士により行われる会計監査は、平易にいえば、組織が作成した財務諸表が正しいかを確認するための監査です。ここでの組織には会社や学校法人、社会福祉法人、医療法人等があります。会計監査は会社法や金融商品取引法や他の法律によってどのような組織が会計監査を受けなければならないのか規定されています。
監査役や監事により行われるいわゆる監査役監査は、取締役や理事等の業務執行を監査するもので法令や定款等を遵守しているか(適法性)、業務が適正におこなわれているか(適正性)をチェックするものです。
また、監査等委員による監査は監査等委員会設置会社で行われるもので、監査役会に代わって過半数の社外取締役を含む取締役3名以上で構成される監査等委員会が、取締役の職務執行の組織的監査を担うものです。
内部監査は組織の業務及び財産の実態を監査し、経営の合理化及び能率の増進の資することを目的とした組織内部における監査をいいます。
内部監査は、業務監査と会計監査に区分されます。業務監査では、会社の業務活動が法令・定款及び規程類に準拠し、かつ経営目的達成のため合理的、効果的に運営されているか否かを監査します。
会計監査は、内部のスタッフとして会社の会計記録が経理規程等に準拠して正確に処理され、かつ各種資産の管理・保全が適切に行われているか否かを監査することをいいます。
結構ザクっとですが大枠はこのようなものを監査といいます。面白くない話かもしれませんが、世の中でいう監査というものは上記3つであり、これだけ理解すれば終わりなので全体を掴んでいただければと思います。
これら3つの監査は、それぞれ、もしくは連携して行なわれることにより(三様監査という)、
- コンプラも含む組織やトップの活動そのものの巧拙
- 組織の合理性
- 財務諸表の信頼性
をチェックするもので、組織がその使命を果たすために必要不可欠でとても重要な制度や仕組みです。
マイ会計においても、
- 自分の思いや計画の実効性の確認
- 行動の合理性
- 財務的な課題の検証
のために、監査の考え方を理解すること、いわばマイ監査が有益です。とりわけ内部監査の内容が大事であることに気付きます。
自分が生きていくうえで会計の発想を敷衍化し計画的で間違いのない効果的な生き方を行うために、どのような視点が必要かを考えるときの知識になるからです。以下の視点が重要です。
これらは内部統制の目的です。
大まかに言えば内部統制とは、内部牽制と内部監査からなる組織運営の基礎となるもので業務に仕組として組み込まれ、組織内の全ての者によって遂行されるプロセスをいいます。
内部統制が機能するためには、したがって内部監査が必要となります。
常に業務の有効性・効率性を図りコンプライアンスにより行動できているか(業務監査領域)。また、資産の保全を行い財務の信頼性を確保しているか(会計監査領域)、ということをチェックするのです。
私は内部監査のうち、業務監査を重視し、そこでの業務の有効性・効率性やコンプラを担保する活動に注目しています。
このことは前述したように組織運営やとりわけ自分の行動様式に関わるマイ監査にとり、とても重要なので、どこかで詳しく説明したいと思います。